今日は久しぶりに事務所での時間がありますので、TOMATO畑のこだわり製作話を投稿致します。
まず見出しの写真の物なのですが、なんだか分かりますか?
自然素材だけを使用した色付見本になります。
もう1度ご覧下さい。
これでごく一部!
自然には綺麗な色が溢れている実例です。
さらにこの色見本、それぞれ製品として製作した中で不良品(傷物等)を検品ではじいた製品を
そのまま色見本にするために、細断してカラーチップ化しました。世界でTOMATO畑だけの色見本。
木製品あるあるだと思いますが、よくある紙の色見本の色をご指定頂いても、大抵ズバリの色になりません。
自然素材の調合差、気候、何より野生の木々の繊維質の密度等で色は多様に変化するからです。
なおかつ自然素材で着色しているので、より多様性が増すために、こんな独自の色見本まで製作している
という訳ですね。
次にこちらをご覧下さい。
上の写真はここ数年の定番で製作してきた製品の色たちになります。
◆ナチュラル:着色していない状態(ターナー・しゃもじ等)
◆ダークブラウン:棕櫚(シュロ)で色付けしていたこげ茶色
◆ペールブラウン:梔子(クチナシ)で色付けしていた薄茶色
◆ベンガラ:弁柄という赤土で色付けしていた上品な赤色
◆ナツメキナリ:ペールブラウンよりも少量の梔子で色付けした生成色
◆ウルシ:純粋漆を6回以上重ねて塗った漆色
全てアジア圏の原生林で採取された野生の天然物から色付けをしています。
表面塗装の話を書くと、記事を別にしなければいけない位の情報量になりますので、こちらの記事をご覧下さい。(→塗装工程の話)
※この塗装については、近いうちにさらに掘り下げて記事にします。
さて、ご注目頂きたい点がございます。
もう1度上の画像をご覧下さい。よく見ると…
全ての色パターンで木目が見えます。
濃い色も拡大してみましょう。
最も濃色のダークブラウンやベンガラでも木目が見えますよね。
こちらの製品はサンプルで定番化しませんでしたが、ご参考までにご覧下さい。
古くからあるなじみ深い黒スリ。
こんな艶感ある黒でも木目が見えるように作ります。
※黒スリは松の木を燃やして発生する煤(スス)が色付けの素材になります。
この木目が見えるように作るのは、TOMATO畑のこだわりなのですが、
あくまでも木目が見えない塗装が悪いという訳ではございません。素晴らしい芸術や技術がありますよね。
ではなぜこうも、TOMATO畑は木目が見える塗装ばかりなのか。
安全を第一目的に作る上で、接着された継ぎ接ぎ木材自体を使用しない事は、以前の記事でも書いてきました。
例えば、ご好評を頂いている くり抜き2段弁当箱 や どんぶり 等の大きな製品も全て1本の木からそのまま作ります。
少しでも見える化したいんです。安全を。
だから「本当に継ぎ接ぎの線が見えない!」と、皆様の目で見てほしいんです。
たとえば防腐防カビにどういう処理がされているのか、消費者目線で見て分かりづらいですよね。
ちまたに溢れている割り箸が漂白されているのは一目瞭然で見分けられますが、見て分からない物も沢山ありますよね。
だからこそ、見てご判断頂ける部分は、なおさら皆様の目で見てご判断頂きたくて、あえて木目が見える着色と塗装にしています。
TOMATO畑の、大きなこだわりです。
【今回登場したTOMATO畑食器】
(現在の定番品は、ウルシ色とキナリ色です。一部ベンガラ色の在庫が少量あります。)
◆野生の木&継ぎ接ぎがない1枚板で作るからこそ希少な製品群