お電話やメールで多いお問い合わせなのですが
Q.「TOMATO畑の木の食器に適した洗剤は?」
同一内容のお問い合わせをここ最近も皆様に頂き、せっかくなのでご返信させて頂いた内容を
また記事にしたいと思います。今後もQ&A記事はコンテンツとしてドンドン公開していきます。
まずいきなりAnswerから。
A.「家庭用の中性食器用洗剤、もしくは弱アルカリ性洗剤をご使用下さい。」
ここ最近、特に沢山「弱アルカリ性洗剤はダメなの?」というお問い合わせを頂き、
急遽TOMATO畑ウェブの よくあるご質問コーナー の記載も追記致しました。純石鹸等の弱アルカリ性も大丈夫です。
厳密に書きますと、PH値6.0~8.0の中性および8.0~11.0までの弱アルカリ性が適合範囲です。
洗剤についてもよくお調べになる皆様や、専門性が高い洗剤情報を発信される企業の皆様も増えてきましたが、
一昔前は純石鹸等の弱アルカリ性の洗剤も一般的に流通しているとはいい難く、TOMATO畑でも取説の記載等を全て中性洗剤にしてきました。
入手のしやすさと、何より木製食器の劣化促進につながる可能性が最も低い事から、このような表記にしてきましたが、自然由来の弱アルカリ性
に分類される食器洗剤も、通常想定されるご使用にて、劣化が著しく進行してしまう等はございません。
酸性や強アルカリ性の洗剤は、木製食器の主素材である木繊維の劣化や、天然の着色に使用している天然素材の溶出を
急進行させてしまう可能性がありますので、ご使用頂けないという訳です。
ここからいつも通り、安全な木の食器作りのマニアック話です。
実際にTOMATO畑では、製造工程において数回洗浄をします。例えばこちら。
見出しの写真に使った、このお椀たち。水だけで目止め塗装を落とした状態(本塗り前)です。水研ぎ研磨という工程。
ここから本塗りに入るのですが、漂白もしませんから、まさに自然の色とりどりですよね。
ではこの洗浄の1つ前の工程を見てみましょう。
これ、水で洗浄する前なんです。
ビックリする位、下塗りしていますよね?水で落とすと上の画像の状態になるんですよ。
この下塗り、何を塗っているかというと、こちらです。
これも凄い貴重な物なのですが、
300年以上経過した原生林で、少しづつしか穫れない天然漆(漆の木の樹液)を採取して濾過し、
さらに焼いて殺菌したこれまた自然森林地帯の瓦土(かわらど)を混ぜた、天然粘土な目止め塗料です。
これを木の繊維質の穴に埋め込むように塗っていきます。
これは製品完成後、皆様のご家庭に届いて日々ご使用頂く時に、耐水性を高める=防腐防カビ効果を高めるという重要な効果があります。
その工程も、全てこのように人体に無害な素材だけを使用している訳ですね。古来から連綿と続く技法です。
そして洗浄している工程はこちらです。
文字通り、水で洗浄です。
これらが全て終わって、1番上の色とりどりの本塗り前のお椀たちになるという流れです。
あれ?洗剤…使っていないのでは??
はい。製造中の洗浄工程は全て水で洗うだけです。
洗剤を使うのは最後も最後の段階なのですが、最終検品と並行して輸送時の汚れ等も落とす目的で洗剤使用の洗浄をします。
これ、松の木の樹液を水で希釈した自然洗剤です。
この松の木の樹液を使用した洗剤については、もはやTOMATO畑が発信するまでもない位、色々な洗剤専門家の皆様が
インターネット上でも発信されていますので、ググってみて下さい。かなりの情報量なので当記事では書き切れません。
1つだけお伝えしたいのは、TOMATO畑は元々創業者が厚労省認定箱根細工技能士なので、
合成洗剤等が無かった時代からの技術を継承して、なおかつ現代の技術革新も取り入れながら安全という尺度を目的に取り組んできました。
松の木の自浄作用を利用したこのような洗浄も、昔は当たり前だったという事です。(ちなみに松の樹液で作る洗剤は弱アルカリ性。)
という訳で、洗剤を使った洗浄は最後の検品と合わせて実施します。私含めて、皆でせっせと洗って、自然乾燥を経て
1つ1つお包みして出荷しています。
まとめます。
Q.「TOMATO畑の木の食器に適した洗剤は?」
A.「家庭用の中性食器用洗剤、もしくは弱アルカリ性洗剤をお使い下さい。」
※TOMATO畑は最終工程で松の木の樹液を使った自然洗剤(弱アルカリ性)で洗っています。